昨今のVJシーンについて思うこと

こんにちは、プログラマの三浦です。

今日はVJの話をしましょう。

私がVJを始めた頃は、パソコンのソフトウェアを使うようになっていました。

 プログラマとしては、風立/KazetachiAD/Kazaguruma等のVJソフトウェアを開発しました(覚えている方はいらっしゃいますか?)。実はその頃既に、最近盛り上がりを見せているTouch Player/Designerなどが存在していました。第2次ジェネラティブVJ世代(第1次はもっとプリミティブなCGを扱ったプログラムですね、いわゆるDEMO)といったところでしょうか。

そのあと、VDMX/QuartzComposer/vvvvなどが使われるようになり、ジェネラティブVJの敷居が下がり、プログラマ以外の人達にも広まっていきました。アーティストが様々な個性を発揮し、それまでのプログラマが繰り出すビジュアルとは、一線も二線も超えるような見ごたえのある映像を創出していたと思います。

最近は、unity/touch designer/vvvv/QuartzComposer辺りが主流のようですね。どれもプログラミングする必要が少なく、直感的に扱えるものばかりです。これは当然の結果でしょう。プログラミングしてアプリケーションを開発しているわけではありません。映像を生成、しかも動的にリアクティブなものを作ろうとしているわけで、より直感的なものが求められるようになりました。

VJって楽しい!ちらっと映っているのは、TECHLIFEのVJソフトGRoKです。

VJって楽しい!ちらっと映っているのは、TECHLIFEのVJソフトGRoKです。

ところで、ジェネラティブVJの魅力ってなんでしょうか?

音楽に合わせられるとよく言います。

では音楽に合わせるとはどういう意味でしょうか?

音楽から感じられる色彩を合わせる?音楽から感じられるスピード感を合わせる?それとも、時系列に変化する音楽のテンションの高さに追従すること?

いやいや、今挙げたものは、プリレンダリングVJでもエフェクトやカット、ミックスなどを併用することで対応可能ですよね。

音楽に合わせるという点においてのジェネラティブVJの優位性は、プリレンダリングVJに対して、それほどアドバンテージがあるとは思いません。また、論理的に合わせる他に物理的に合わせる、つまり音の時間軸に合わせること自体も時と場合によりけりです。

あえて拍をずらし、フレーズをオーバーラップし、音と映像でシンコペーションを作ったり、様々な変化で新しい刺激を作り出すことも可能です。光を一切出さないことも演出になるでしょう。映像が持つ意味性と音楽をぶつけることもできます。そういう意味で、「これしかない」というルールはなく、演者の個性が発揮出来るものです。

VJって楽しいですね、全く異なるアプローチでもVJとして成り立たせられるだけの広い自由度が魅力です。

そんなVJも岐路、幾つかの道に分かれてきていると感じます。音楽のジャンルと同様に多くの道に枝分かれてしていくのは避けられないでしょう。もちろん、どこが今のメインストリームか気になることでしょう。が、音楽と同様にブームは循環します。自分が気持ちよく感じられるジャンルを長く続けることが大事だと思います。

TECHLIFEで展開しているVJソフトのひとつ、Kraken。シンプルで使いやすく、初心者からプロまで使っていただいています。間もなく2も登場予定!

TECHLIFEで展開しているVJソフトのひとつ、Kraken。シンプルで使いやすく、初心者からプロまで使っていただいています。間もなく2も登場予定!

最近の私は公の場でVJをすることはほとんどありませんが、部屋でそれっぽいことはたまにしています。その際に、心がけていることがあります。

音楽を感じたパッションをダイレクトに映像にマッピングせずに、2、3個のプロセスや解釈を通して、映像を送出する点です。

よく音響の振幅を拾って、オブジェクトや波形がそれに反応して、ピクピク動くのを見かけますが、あれはどうでしょうか?

私はもう長いことやっていたので、かなり飽きているのが本音です。振幅をダイレクトに3Dオブジェクトのscaleにアサイン、色としてHueにダイレクトにアサインする、閾値を設けてそれが超えたらエフェクトがかかるようにする?いやいや、直接的過ぎて恥ずかしいです(笑)。

とはいえ、ミニマルテクノの音にソリッドに合致した映像に憑かれる魅力も知っています。両方を披露できるシチュエーションが理想ですよね。そのため最近は、音も自分で奏でることにしています。そうAudio/Visualですね。もっともっと、盛り上がってほしいと願うAudio/Visual。自分は、この分野を今後後押ししていけるようなツールを開発していきたいと密かな野望を抱いております。

期待して待っていてくださいね!

Best Regards,

Nozomu Miura

miura

秋田県生まれ。ベルギー、東京を経て現在シンガポール在住。 様々な業務アプリケーションの開発に関わり、主に低レイヤーの開発を得意とする。 ベルギーへ渡り、照明最大手のR&Dのリードエンジニアとして、メディアサーバや照明制御の開発に6年間従事。 2006年のユーロビジョンソングコンテストやアーティストのステージを支えるエンジニアとしてベルギーを拠点に欧州で活躍。 日本ではライブストリーミングサイトdommuneや、坂本龍一の映像配信などをサポート。 その一方で、vjとしてクラブシーンとも関わり、積極的にvjソフトウェアを開発。 小さくてもニーズのあるツールを提供するのが生き甲斐。次のプロダクト作成のため、メンバーを探している半ばの人生。 エンジニアとしてのメンタルを保つために、アジア大陸最南端でギラギラ葛藤中。 動物とあんことレッドブルが好き。最近お酒に弱くなりました。

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